「高断熱だから暑い!オーバーヒートを防ぐための設計ポイント」
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
こんにちは、スタジオカーサの樽角です。
まだ暑い日が続きますが、少しずつ
秋の気配も感じられるようになりました。
さて、夏至を過ぎると太陽の位置
(太陽高度)が徐々に低くなってきます。
この変化により、高気密・高断熱の住宅では
「オーバーヒート」という現象が
発生することがあります。
オーバーヒートとは、太陽熱を予想以上に
取り込んでしまい、上の階や天井付近に
熱がこもりやすくなる現象です。
特に9月や10月(4月や5月も同様)の
中間期には、10時から14時ごろの太陽高度が
低くなります。
その結果、庇や軒を超えて日光が室内に
入り込みやすくなり
高断熱ゆえに室温が上がりやすくなります。
これによって、季節外れに冷房を使いたく
なる場合もあるのです。
オーバーヒートを防ぐ方法
オーバーヒートを防ぐためには
まず、パッシブ設計を取り入れることが重要です。
住宅を設計する際には、方位と太陽高度を
必ず考慮します。また、隣接する建物の影響も
シミュレーションし、敷地にどのように
日が当たるかを検証し設計を行います。
夏の日射を遮るために庇や軒を窓の上に設け
部屋が暑くならないようにすることが基本です。
それでも防ぎきれない方位に窓を設ける場合は
外付けのブラインドやすだれを活用するのが
効果的です。
重力換気で効果的な熱排出
もう一つの対策として、最上階の高い位置に
窓を設けることをおすすめします。
天井と同じ高さに窓を設置するのが理想的です。
暖かい空気は上昇するため
低い位置と高い位置の窓を開けることで
室内にこもった熱を効率よく外へ排出する
ことができます。
これを「重力換気」と呼び
非常に効果的な換気方法です。
換気扇を使用するよりも速く
外の気温や湿度が適していれば
エアコンを使わずとも快適な
室内環境が実現します。
窓の開閉には電動タイプを
高い位置に設置した窓は、手動での開閉が難しい
場合が多いため、電動開閉できる窓を選ぶのが
おすすめです。