もうすぐ変わるZEHのルール、ポイントは「断熱・BEI・HEMS」
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
こんにちは。スタジオカーサの樽角です。
先日、経済産業省の審議会でZEH(ゼッチ)基準の見直しが発表されました。
今回は、その主な変更点をご紹介します。
主な変更点
① 断熱性能の引き上げ
現行の「断熱等級5」から、より高性能な「等級6」へと引き上げられます。
② 一次エネルギー消費量の削減率アップ
BEI(Building Energy Index)値が「0.8」から「0.65」へと厳しくなります。
BEI値は、その住宅がどれだけ省エネかを示す指標です。
「1.0」が基準値(=標準的な家のエネルギー消費量)とされ
それより数値が小さいほど省エネ性能が高いことを意味します。
③ 設備条件の必須化
これまで任意だったHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)や
蓄電池の設置が、今後は必須になります。
詳しくはこちら
これまで、国の補助金制度や住宅ローン減税などの優遇を受けるには
ZEH水準の達成が条件とされてきました。
今回の変更により、新しい基準を満たしていない住宅では
優遇措置を受けられなくなる可能性があるということです。
ちなみに、この新基準は、現行の「子育てグリーン住宅支援事業)」の
GX志向型住宅と、ほぼ同等の内容となっています。
注目ポイント:HEMSと蓄電池の必須化
太陽光による「発電」だけでなく、「蓄電」と「エネルギーの管理(エネマネ)」
までが重視されるようになります。
これは、2050年のCO₂排出量実質ゼロ(カーボンニュートラル)実現を目指す
国の方針に沿ったものです。
新しい基準は2027年から適用予定とのこと。いよいよ目前ですね。
※HEMS(高度エネルギーマネジメント)について詳しく知りたい方は
こちらのブログをご覧ください。
最後に
今後ますます深刻化するエネルギーコストの上昇や環境問題。
それらに対応する住まいづくりは、環境配慮だけでなく
「将来への備え」や「資産価値の向上」
そして、
未来の人たちに価値あるものを残すことにつながります。
これからの住宅に求められるのは、省エネだけではなく
エネルギーを「創って・ためて・うまく使う」ことが
あたりまえになっていきます。
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