一戸建てでも修繕積立金は必要?
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
こんにちは、スタジオカーサの樽角です。
都心近くの便利なエリアで住まいを検討している方の中には
マンションと一戸建てを比較検討した経験がある方も多いの
ではないでしょうか。
その比較の中でよく挙げられる大きな違いのひとつが
「管理費」と「修繕積立金」の有無です。
一戸建てはこれらの費用が資金計画にでてこないため
その分月々の支払いを抑えられるように見えてしまい
一戸建の方がお得!と選ぶと後悔してしまいます。
実は一戸建てでも「修繕積立金」は必要なんです。
今回は、一戸建てのお家づくりを計画する際に
知っておいていただきたいメンテナンス費用について
お伝え致します。
「管理費」については、日常的な清掃や庭木の剪定
草むしりなどをご自身で対応すればDIYでも賄えます。
しかし、「修繕積立金」は必ず用意する必要があります。
マンションの場合は、管理会社があらかじめ長期修繕計画を
作成してくれるため、きちんとした管理会社が入っていれば
通常は問題が起こりにくい仕組みです。
(ただし、近年は物価や人件費の上昇により
トラブルが増えているマンションもあります。)
一方、一戸建ての場合は、販売会社が長期修繕計画を
作成してくれないため住まい手が自ら計画を立てて
毎月の「修繕積立金」を積み立てていく必要があります。
そのため
家を建てる前段階から
メンテナンス費用を資金計画に盛り込むことが重要です。
では修繕積立金はいくら必要?
これは家の大きさや仕様、形状、立地や地域性に
よって大きく異なるため
一概には答えにくいのですが、大まかな目安をお伝えします。
不動産情報サービスのアットホームがまとめた
「一戸建て修繕の実態調査(2023年)」によると
30年以上住んでいる方が負担した修繕費の平均は615.1万円
(木造住宅に限定すると平均628.8万円)とのことでした。
正直、この数字は個人的には少し少なく感じます。
なぜなら、この数字は過去の実績であり
現在よりも物価が低い時代の費用や、十分なメンテナンスを
行っていない住宅も含まれた平均値だからです。
実際に数年前、分譲住宅と同程度の仕様や立地で試算した結果
最近の物価上昇も考慮すると、30~40坪程度の建物の場合
30年間で1,000~1,200万円程度は必要になるという結果が出ました。
(今後の物価上昇によってはさらに増える可能性もあります。)
これを月々に換算すると、約3万円前後です。資金計画を立てる際には
この月3万円を「修繕積立金」として計上してはいかがでしょうか。
今回お伝えしたかったポイントは、
- 一戸建てでも修繕積立金は必要であること
- メンテナンス費用を踏まえた資金計画が大切であること
この2点です。
ただし、具体的な金額は地域の物価や建物の仕様によって異なりますし
必要になる金額とタイミングはことなりますので
実際に建築を依頼する会社に事前に相談することをおすすめします。
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