台風と家づくり
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
台風がやっと過ぎ去りましたね
今回の台風で神奈川では大量の雨が降り
土砂災害と河川氾濫の氾濫が心配でしたが
九州では雨に加えて防風による被害が多く
屋久島樹齢3000年弥生杉の倒木ニュースで
凄まじい風だったことが想像できます
台風への対策が家づくりにおいても重要になっています
土地をこれから探す方は、とにかくハザード情報を
土砂災害特別警戒区域はもちろんのこと
愛知県蒲郡市内で起こった不幸な災害のように
当該の区域に入っていなくても近くに崖がある場合
避難を考えておかなくてはなりません
できれば、避難の必要がないお土地をご検討いただいた方が
高齢者や小さなお子様がいらっしゃるご家庭は安心ですよね
もし今のお住まいが崖の近くや
新たに購入するお土地を眺望などの立地条件から崖の近くに
購入される場合などは
大雨の時は早めの避難をされるか2階や崖と反対の部屋に滞在されるなど
の対応をおすすめします
防風には建物の耐風等級を気にしておくとよいです
耐風は建物の形に大きく影響をうけます
建物の高さと建物の奥行と幅の差が大きいほど耐風的には弱くなります。
その場合、耐風力を上げるためには耐力壁を増やして対応することになるのですが
壁の多い空間になってしまいプランに制約がでてしまうこともありますので
建物の形の調整が必要です
ちなみに建物の耐風力を計算する際に使う風の速さは(基準風速Voといいます)
神奈川県内ですと32~36m/sで基準風速の2乗が風圧力として建物に
かかりますので台風が大型していき基準風速を上げることになると
とても大きな力が建物にかかります
土地の形によって細長な建物にせざるを得ない事もありますが
年々台風の風の被害が多くなっていますので
屋根の高さを抑えることによって建物が風を受ける面積を減らし
少しでも台風に強いお家にしておくといいかと
屋根の高さを抑えること耐風でもよいですし、外観が整うことにもなります
お土地の特性をよく読み、プラン(平面)と一緒に建物の形も気にして
災害にも強く、外観も素敵なお家を設計していきたいとの想いを強くした
台風一過でした