外観の良い家にするために大切なこと|“緑”のある豊な暮らし
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
こんにちは、スタジオカーサの樽角です。
今回は家の外観と緑(植栽)について
外観が素敵な家には、共通点がありました。
散歩をしていると、
ふと目が留まるお家ってありますよね。
私の場合、それには共通点があるなと、最近気づきました。
それは、道路側に“植栽”があること。
和風でも洋風でも、モダンでもナチュラルでも。
テイストは違っても、どの家にも小さくても植物がある。
それだけで、その家のたたずまいが、なんだか優しく見えませんか。
外観に“愛着”が生まれる瞬間
仕事柄、家の外観デザインには日頃から目がいきますが、
家づくりをされる方には「中の間取り」や「収納」などが
先に気になるのも当然のことです。
でも、朝出かけるときや、ふと帰ってきたときに、
「いいな、うちの外観」と思えたら、ちょっと気持ちが上向きませんか?
そんなふうに感じられる家がいい家かと
都市の家でも、緑はつくれる
都市部では土地に余裕がないことがほとんどです。
駐車スペースや自転車置き場を確保するだけで精一杯
というケースも多いです。
でも、限られた敷地でも、建物と同時に植栽を考えておくことで
自然に、緑を取り込むことができます。
ほんの少しのスペースでも、植栽の配置や種類を工夫すれば
家の印象がぐっとよくなります。
設計段階から考えるからこそ、実現できる
建物を建てたあとに「ここに木を植えよう」と思っても
排水管が通っていたり、スペースが取れなかったりと
うまくいかないことがあります。
だからこそ、設計の最初の段階で
植栽のことも一緒に考えることが大切です。
窓の位置や外壁のデザインに合わせて、
「ここに緑があると映えるな」と想像しながらつくっていくと、
建物と植物が自然に調和して、外観がぐっと魅力的になります。
植物のある暮らしが、時間を彩ってくれる
植栽には、暮らしにリズムや変化を与えてくれる力があります。
風が吹けば枝が揺れ
光が差せば地面に影を落とし
季節が変われば葉の色も表情も変わる。
1年の中で同じ景色はなく
毎日、ほんの少しずつ変化していくその様子が、
なんだか心を整えてくれます。
緑がもたらす、もうひとつの恩恵
そしてもうひとつ。
植物には、環境にやさしい働きもあります。
日差しを浴びて蒸散することで、
周囲の気温をやわらげてくれたり、
コンクリートよりも熱を持ちにくいため
夏の暑さを軽減してくれたり。
たとえば、駐車場の一部を土や草にするだけでも
体感温度がかなり変わります。
家と庭はセットで考えたい
どうしても、家のプランが先行して
庭や外構は後まわしになりがちです。
でも私は、家と庭を一緒に考えることが
心地よく住み続けられる住まいづくりのコツだと思います。
緑のある家は、帰ってくるたびにちょっと気分が上がるし
見る人の印象にも残る。
何より、住む人自身が、家に“愛着”を感じやすくなる気がします。
最後に
たとえ小さなスペースでも、
緑があるだけで家の表情はぐっと変わります。
「家づくりのなかで外構や植栽はまだ先で…」
と思われる方も多いのですがもしよろしければ
設計の段階から一緒に“外の風景”も考えてみてください。
ちょっとした工夫で、
心が和らぐような住まいが、きっとつくれると思います。
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