使われている「素材」が大きな役割を果たしています。
素材が人に与える影響が大きい理由のひとつは、
物から放たれる「熱」を
人が感じ取るからです。
この現象を「放射(または輻射)」といいます。
たとえば、洞窟が涼しく感じられるのは、
洞窟の表面温度が低く
私たちの体温から熱を奪うためです。
このような涼しさは、エアコンの風によるものとは異なり、
非常に心地よく感じられます。
一方、暖かさの例では、パネルヒーターや床暖房が
放射の力を利用しています。
これらも対流を起こさないため、
不快な風を感じることなく、
乾燥肌を引き起こしにくいというメリットがあります。
無垢のフローリングも同様です。
無垢材は、合板よりも熱を蓄える力が大きいため、
無垢床自体が熱を発していなくても、
身体から熱を奪わずに暖かく感じられます。
そのため、無垢材を使った床は足元が冷たくならず、
居心地が良くなるのです。
さらにもう一つ重要な要素として「調湿力」があります。
人は熱だけでなく、湿気も発生させます。
この湿気を吸収してくれる素材があれば、
湿度が上がらず、吸収性の高い布に包まれているように
快適に過ごせます。
部屋の中に湿気を吸いやすい素材を使うことで、
住宅全体の居心地の良さが向上します。
こちらも無垢のフローリングが代表的で
ほかには塗り壁(漆喰や珪藻土)
天然石の石張りや無垢の板張り天井や壁なども効果的です。