展示会「衣 食 住」を観に行きました◎
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:野口 妙子
先日、施主さまにおすすめいただいていた
表参道のGyreにて開催されていた「衣 食 住」という展示会に行ってきました。
※2023年10月末までの開催
今回の展示は、稲を中心に植物の特性をよく知り
隅々まで暮らしの中で使いつくす。
そんな地続きの知恵を再発見する機会を観る人に与えてくれる
素晴らしい展示会でしたた。
今回の展示会は、もう10年以上前に設計を担当させていただいた
施主さまからのお薦めで、知ることができました。
本当に感謝です。改めて御礼申し上げます。
しらなかったこと
しっていたけど忘れていたこと
ずっと気がつけずにいて、当たり前のように享受していたこと
1時間も観ていなかったと思いますが、
そんなものと向き合き合わせてもらえた
濃厚な時間でした。
意外と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが
実は、住宅後進国と呼ばれる日本。
そんな中でも、SDGsの観点から世界から注目されているのがある。
それが、日本の風土に合わせた稲の循環と共に暮らす昔ながらの暮らし。
そう、今回の展示のような暮らし。
すでに持ち合わせている知恵の本質的価値からはなれ
遠くに遠くに解決策を求めすぎると
こうやって、自分事ではないような展示会ではっとなる。
でもそれれも、なんとも滑稽で人間らしい。一つの循環なのかも。
もともと日本の信仰は八百万の神々。つまり自然であって。
自然の中に自分たちがいるということを当たり前の観点で暮らしていました。
考え方の矢印が、自然から自分たちに流れるのではなく
自分たちから自然にながれたからこそ、遠くに価値を求めてしまったのかもしれません。
つらつらと書いてしまいましたが、今回の展示で思わずメモしてしまった
パネル文をシェアさせてください。
とても素朴な文章の中に、大切な事がぎゅっと詰まっていました。
■燃えやすいから、火を学ぶ
茅葺屋根の唯一とも言える弱点は、燃えやすいこと。
だからこそ、昔は子供が親から学ぶ大事な作法に
「火の扱い方」があった。
知らないから、不安になる。
素材を知り、構造を知り、弱点を知恵にする。
■ ”グレー”な日本人は、「縁側」に育まれた
真正面に向き合い白黒つける話し合いより
横に並んで景色を眺めながらのほうが
言いづらいこともやんわりと口にできる。
縁側は、村社会で日常的に起きる小さな問題を
大きくなる前に解決させる装置でもあった。