建築家・内藤 廣 講演会
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
建築家・内藤 廣 講演会
先日、神奈川県建築士会による、建築家・内藤廣さんの講演会に行ってきました。
内藤さんは、渋谷の再開発に長く携わっていらっしゃり、講演内容も時間軸の長い、とても思考の深いお話でした。
都市計画はもちろんですが、建築は他のものと比べても、使用される期間が圧倒的に長いことが特徴です。
木造住宅であっても、一世帯だけで30年ほど使用されることが想定されます。
その後も別の世帯に引き継がれ、長く使われる住宅もあれば、解体されてしまう住宅もあります。
その差は、どこにあるのでしょうか。
今回の講演では、そのヒントとなるようなお話がありました。
「物理的耐久性」と「愛の耐久性」。
この二つがそろわなければ、建築は残っていかない。
建物としての性能や耐久性は重要ですが
それと同じくらい、「愛の耐久性」はとても重要なのだと感じました。
長く残っている建築に共通しているのは、利他的な思考で設計され
人に愛されていること。
そして、その“人”とはオーナー個人だけではなく
地域に開かれ、分かち合われている存在であることでした。
住宅は、公共施設や店舗とは異なり、不特定多数の人が出入りする建物ではありません。
それでも、外観や景観は地域に大きな影響を与えています。
屋根の形や外壁の色、外構や植栽計画まで含めて景観を考えていかなければ
町の魅力は少しずつ失われていきます。
そうなると、新たに人が町へ入ってこなくなり、次の世代へ引き継がれなくなる。
結果として、建てた本人にとっても不利益になってしまうのだと思います。
住宅一つひとつが街並みに影響し、その積み重ねが都市の繁栄や過疎にもつながっていく。
だからこそ、周辺環境に調和した、愛のあるすてきな住まいを、お施主さんと一緒につくっていきたい。
そんなことを、あらためて感じた一日でした。
写真は会場の横浜市開港記念館

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