神戸研修レポート:ヨドコウ迎賓館から得た設計のヒント
- Category:暮らしの風景(設計士ブログ)
- Writer:樽角 健一
こんにちは、スタジオカーサの樽角です。
先日、研修で初めて神戸を訪れました。
その際、見学したのがフランク・ロイド・ライト設計の
ヨドコウ迎賓館(淀川製鋼所迎賓館)です。
高級住宅街として名高い芦屋に
今も現存する、この名建築は非常に印象深いものでした。
フランク・ロイド・ライト
(Frank Lloyd Wright, 1867年-1959年)は、
アメリカの著名な建築家で、20世紀の建築界に
大きな影響を与えた人物です。
彼は「有機建築」という概念を提唱し、
自然と調和する建築デザインを追求しました。
建物がその周囲の環境と一体化し、
自然の一部として存在するべきだという理念に基づいています。
ヨドコウ迎賓館もその理念を色濃く反映しており
迎賓館としての威厳や重厚感がありながらも
人を包み込むような温かさが感じられる
居心地の良い空間です。
外観からは想像できないほど
建物内部には巧みに配置された窓から
柔らかな光が差し込み、建物の奥まで広がります。
また、各部屋には入口とは別に
もう一つの出入り口が設けられており
回遊動線(サブ動線)が確保されています。
行き止まりのない動線があることで
居住者や来訪者が自由に動き回れるようになっており
それでいて落ち着く場所もあるため
居心地の良さが損なわれることはありません。
さらに、間仕切り壁は水回りと使用人室を除き
極力少なく抑えられていて
間仕切り壁に開口部が設けられているなどの工夫で
建物全体が一つの空間としての一体感を持っています。
以前、旧帝国ホテルも見学したことがありますが
今回のヨドコウ迎賓館は住宅に近い建物で
空間もコンパクトなため
住宅設計の参考になる点が非常に多くありました。
これからの設計に
この学びを生かすのが楽しみです。