約25坪の延床面積。空間の広がりや奥行きを感じる家が完成しました
Q 家づくりのきっかけはなんでしょうか?
引越しをすることになり、せっかくなら自分たちの暮らし方に合う家に住みたいと考えました。
「いつか自分の家を建ててみたい」という想いを持っていたので、それを実現するなら今だと思い、土地探しから家づくりをスタートさせました。
Q どんな土地条件で探しましたか?
夫婦のお互いの実家の中間地点となるエリアを希望。
さらに、利便性よりも自然に囲まれていて落ち着いて暮らせる環境を重視していました。
そうして見つけたのが、希望のエリアにある、敷地の東側に森がある土地でした。
人目を気にせず、景色を取り入れやすいロケーションが気に入り、購入を決めました。
Q 家の特長を教えてください。
約25坪の延床面積の中で、面積以上の広がりを感じられるように工夫しました。
壁に囲まれているとただのボックスの中にいるようで狭く感じがちなので、部屋の角の部分に窓を設け、敷地の東側にある森の景色が見えるようにしています。
また、対角線上に視線が抜けると、より広さを感じられるので、“ソファに座った時”“キッチンのアイランドカウンターに立った時”など、生活シーンの中での視線の対角線上を意識し、森の景色が効果的に見えるように設計しています。
Q キッチンのポイントは?
壁付けのキッチンとアイランドカウンターを組み合わせ、ゆったり使えるようにしました。
キッチンの壁には大判のタイルをあしらっていますが、これは小さいサイズのタイルを細々貼るよりも、面が大きいタイルを使う方が視覚的な広さを感じられるという理由からです。
日用品や食品などのストックはあまり買い溜めをしないタイプなのでパントリーはつくっていません。その分、調理家電やごみ箱はアイランドカウンター内に収納しているので、生活感が出ないようになっています。
Q 収納のポイントは?
生活に合わせて収納スペースの量や位置を計画したので、片付けがしやすい家になりました。
また、クリスマスツリーや雛人形といった季節のアイテムをしまう場所として、リビング上部にロフトも設けています。
モノを隠せるように閉じた設計にして、雑多な様子がLDKから見えないようにしました。
さらに、生活感が出ないようにエアコンもロフト内に設置。ルーバー部分から冷たい空気がLDKに流れるようにしています。
Q 家事動線のポイントは?
洗濯に関しては、1階で完結できるようにしました。
洗面脱衣室で室内干しができるようにアイアンバーを取り付け、乾いた衣服を隣のファミリークロークに収納できるようにしています。
動線の複雑さは、家が片付かなくなる理由の一つ。家事は毎日するものだからこそ、負担なく片づけられるシンプルな動線を意識しました。
Q 住み心地はどうですか?
オプションをつけなくても長期優良住宅の基準をクリアするので、標準仕様そのままのグレードで建てていますが、性能のよい家に住むことの快適さを実感しています。
標準仕様の無垢床は、お風呂上りに素足で歩いてもベタベタしないので気持ちがいいですね。素材によってこんなに心地よさが変わるんだということを体感しています。
デザインも性能も、どちらもゆずれないと思っていたので、納得の住み心地です。
Q お気に入りの場所はどこですか?
取り入れたいなと思っていた薪ストーブが使えるエリアだということが分かり、玄関土間に薪ストーブを入れました。
玄関土間に配置したスケルトン階段や吹抜けを通じて、暖かい空気が2階のLDKに届き、家の中に暖かさが広がります。
階段部分にはピクチャーウィンドウもつくっているので、冬は階段に腰掛けて景色を眺めながら暖を取るなど、薪ストーブを中心に階段や玄関土間も居場所になるような心地よい空間になりました。
Q 家づくりの感想を教えてください。
空間の広がりを感じられるように窓の配置を工夫するなど、設計の工夫によって心地よさを生み出すことができるという“建築の可能性”を実感する家づくりでした。
勾配天井やロフトで天井に高低差をつけたり、あえて暗い場所をつくって明るさをより感じられるようにしたりと、空間に変化をもたらすことも意識しました。
こうしたメリハリのある空間をつくることで「開放感とおこもり感」「明るさと暗さ」を愉しめ、それが居心地のよさにつながる住まいが完成したと感じています。